LP-284は、有用な働きを示す乳酸菌の中でも特に優れた活性を持つ菌を選抜し、当社独自の製法で粉末状に造りあげた菌体成分です。この菌体成分は、BRM(バイオロジカル レスポンス モディファイヤー:生体反応修飾物質)とも呼ばれ、生体の免疫担当細胞の活動と密接な関わりを持つことが実験により示されております。
■ BRMについて
BRMとは、主に生体の免疫反応に刺激を与え活性化する物質のことをいい、乳酸菌の場合、DNAや細胞壁成分であるペプチドグリカンやムラミルジペプチドなどがそれに相当し、腸にある免疫器官に認識されることで免疫活動に刺激を与えることが知られています。
BRMの免疫機構への作用機序
全身の免疫担当細胞と抗体の半分以上が腸に集中していることが知られていますが、BRMは、この腸管のパイエル板から取り込まれて免疫担当細胞であるマクロファージに認識され、TNFα、IL-12などのサイトカインと呼ばれるシグナルを放出し、これがさらにNK細胞、T細胞、B細胞など他の免疫担当細胞を活性化することで、免疫系全体が活性化されることが報告されています。また、活性化されたB細胞はIgAの産生と分泌を促し、病原菌やアレルゲンの排泄に働くことが報告されています。
BRMの生体機能調節作用
BRMによってもたらされる作用には、ⅰ)免疫応答調節作用、ⅱ)アレルギーと自己免疫疾患の改善、ⅲ)腸管感染防御、ⅳ)炎症性腸疾患の改善、ⅴ)過敏性腸症候群並びにストレス応答の緩和、ⅵ)血圧降下作用、ⅶ)皮膚の健康維持 などが報告されています。
BRMの作用量
乳酸菌にBRMとしての免疫応答活性化を期待するには、一般的に1日に1兆個程度の菌体を摂る必要があるとも言われています。また、免疫応答活性化の程度は、菌の種類、培養条件、菌体処理条件などによって異なる事が知られています。
■免疫活性化に優れた乳酸菌株「LP-284」
免疫活性化に優れたBRMを、当社が保有する乳酸菌の中から選抜しました。免疫活性化を探る指標には、マウスの腹腔マクロファージが産生するサイトカインTNFα、IL-12ならびにマウスの脾臓細胞が産生するIFN-γを用いました。TNFαは、免疫担当細胞を活性化するサイトカインとして注目されており、がん細胞を直接攻撃して壊死させたり、がん細胞を攻撃するNK細胞などを活性化させる働きがあることが知られています。IL-12は、Th1型の細胞性免疫を高め、免疫バランスの調整に働き、またIFN-γは、抗ウイルス作用や腫瘍抑制、NK細胞活性化作用を持つことがわかっています。この3種類のサイトカインは互いに連携しながら抗腫瘍や、感染防御、抗アレルギーなどに働くと考えられていることから、各菌株の3種類のサイトカインの産生能力について調査しました。当社が保有する1000株以上の乳酸菌株の中からBRM活性が高い可能性のある数十株についてTNF-α、IL-12、IFN-γの産生性を調べた結果、LP-284株(Lactobacillus plantarum)が、いずれのサイトカインにおいても高い産生能力を示すことが判明しました。
■「LP-284」の製造
乳酸菌「BF-LP284」は、特殊な条件下で培養した後に遠心分離によって菌体を回収し、加熱処理によって殺菌した上で乾燥粉末状に加工した乳酸菌菌体成分です。各工程の条件により「BF-LP284」の機能性は大きな影響を受けるため細心の注意を払い品質維持に努めています。そのため原材料の受け入れから製品の製造・保管に至る各段階において、品質管理規定に基づき、重要管理点を設定して継続的に監視・記録することで、製品の安定性を保っています。
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